Thursday, September 24, 2015

2巡目 第5日 05/16/2015

宿: 鮒の里
距離: 約 27km

グーグルマップ上の軌跡:おんやど松本屋~鮒の里

さて、今日は前回【酷道】55号線を通り辛い思いをしたので、55号線を徹底的に避け恩山寺に向かうルートを自分なりに作ったので、これを実行する日です。どこをどう歩いたのか興味のある人は、上記のリンクを開け地図をなぞって見てください。何ヵ所か面白いスポットも寄っています。


おんやど松本屋さんを確か朝7時前に出発したかな、松本屋さんでは朝食をしっかり取ったのですが、コンビニで温かいコーヒーを飲みたいと逆方向の井戸寺の裏を回り、すぐのローソンに入りました。そこでコーヒーとドーナッツを買い、歩きながらドーナッツをかじりコーヒーをすすり、また元の道に戻り、遍路地図通り南に向かいます。

田んぼの中を歩いているうちに、ポンチョを着なければならないほどの雨になり、民家の軒先を借りてポンチョを羽織ります。

道も交通の激しい192号線に出ます。この192号線、3日前に藤井寺に向かう途中鴨島あたりで横切っているんですよね。そして鮎喰川の大きい橋を渡ってすぐ右に折れ、地図のⒶのルートを取ります。

このルートはⒷより車の通行が少ないです。そして地蔵院池緑地の池を横から入るかたちになります。相変わらず池の周りには雨の中近所の年寄りが何人か集まっていました。その人たちと朝の挨拶を交わして、そこの大きな休憩所でポンチョを脱ぎリュックを降ろし、今日初めての休憩タイム。

さて、今日は雨で途中何が起きるか分からないので、ゆっくりもできず出発です。Ⓑと交わったところからほんの少しで左に「地蔵越遍路道」と言う石標があるので、この遍路道を入っていきます。この道は車道のショートカットですが、車道がつづら折りで上がっていくところ、真っ直ぐいくので坂は急です。でも晴れた日はいい散歩道なので、地元の人が結構集まっています。しかし今日は雨なので、人っ子一人いません。

この道がまた車道に出る間際はさらに急坂で、私は何を見間違えたのか、上がっているうちにロープの張ってある反対側に入ってしまい、落ち葉が分厚く覆いかぶさった斜面で足を取られながら這いつくばってやっとのことで登りました。結論から言うと雨の日は車道の方が無難だったかなと。

車道に出てすぐがここの峠で、下り出してちょっと行くと再度左にショートカットの遍路道がありますが、その手前の右に同程度の舗装の道が下に向かっています。この地点が遍路地図にはナイ遍路道の始まりです。

舗装の道をどんどん下ります。人も車も全然通りません。遍路地図の道もそうですが、下り切ったところに園瀬川があります。こちらの道も川の少し手前から集落が始まりますが、その民家が出だすところに、成田山不動尊四門寺があり、ここを今日の最初のお参りするお寺としました。


本堂大師堂のふたつはない小さな寺なので、灯明・線香のできるところで全ての参拝を済ませました。ちゃんとした来訪者用の便所もあるので、小の方を済ませます。ここらあたりで、ポンチョを脱いでもいいくらいのポツポツ雨になりました。


そして農家・民家の間をぬい、園瀬川の小さな潜水橋に向かいます。グーグルの地図とストリートビューでは、大きな畑を通ったところに潜水橋が見えてくるはずですが、その手前に大きな土手が隔たっています。グーグルの地図からも大きなバイパスを通す工事は進んでいるようでしたが、この土手は想定外です。


土手の一部に水路を通すようなトンネルがあったので、そこを抜けて河川側に出てみると、川自体完全に変更されていました。しようがない、またトンネルで元に戻ったところで軽トラに乗ったおっさんが見えたので、強引に止めて潜水橋のことを聞くと、潜水橋はまだアルような返事だが、川向うに渡るには少し下の大きな橋を渡れとの答え。多分潜水橋はもうナイものと判断、大きな橋へと向かいました。案の定、橋の上からは川の様子は全然違っていて潜水橋などありません。

期待して渡るはずだった園瀬川の潜水橋

さらに住宅地を進み、208号線が438号線にぶつかる交差点にまたローソンが出てきたので、アイスクリームバーを買い、また食べながら、交差点を渡ります。その先本来ならすぐ左の車道から「あづり峠」へ向かうのですが、正面の電気屋さんの脇に路地があり、そこにはめずらしく遍路道の案内標がありました。遍路の道標が期待していないところにあると心がホッとします。

その路地を辿るとすぐに先の交差点から続く車道に出ます。そして車道を少し歩くと今度は左側に遍路の道標があって、そこへ入ると田んぼの中の農道を進むようになります。その道も再度車道に戻り、どんどん進むと左側に高いビルの障害者支援施設「あおばの杜」があり、そこを通り過ぎた先からグーグルの地図の道は途切れます。


そしてそこが「あづり峠越え」の入り口でもあり、またもや遍路道標がありました。

たった標高100mほどの峠ですが、上りがどのくらい続くか見当がつかないので、上がっている間はやはりきついです。上り途中、近くの高校の有志らがこの道を整備したそうで、その行為が札に記されていましたが、だいぶ前の話のようで、今は草が道を覆い一部分かりにくいところもあります。


そうこうしているうちに、峠にたどり着きました。ただし、写真にあるようなものだけがあり、見晴らしもなく、ベンチ等も置いてありません。私は休みもせず今度は下っていきます。

下りの一部はどっちかなと思う分岐路もありますが、自分の勘で選ぶと合っていました。そしてさらに下りると、農家の納屋みたいものが出てきます。そこから見晴らしが開け、小松島市からさらに先の紀伊水道まで見えますが、晴れていれば更に素晴らしかったでしょう。


この道を下り切ると民家が出てきて、地蔵院東海寺を車で入れる道があり入っていきます。ここは神社とお寺があるはずですが、参拝しようにもどれがその建物か分からず、よりによってそこで飼っているだろう犬にギャンギャン吠えられて落ち着かず、退散するように今度は正面の石段を下り出てきました。


そこから農地・住宅地を抜け210号線に入ります。さらに少し進むと、右側に小っちゃなこんもりとした林が見えてきます。これが日本一の名所なのです。名は「弁天山」。何が日本一かと言うと、国土地理院の地図に載っている自然にできている山としては一番低い、たった6.1m、の山なのです。


記念すべき日本一の名峰の登頂に成功して、向かいの農作物展示即売場の休憩室で一服しました。

さらに恩山寺への道は続きます。210号線を進むと阿波室戸シーサイドラインの踏切に出ますが、その方向はどんどん55号線に近寄るので、踏切の手前を右の路地に入ります。

その路地を通り抜けると、また踏切があり渡ります。そして線路の反対側は田んぼなので四方を田んぼに囲まれながら歩きます。そこで面白いものを見ました。急行が徳島駅方面に走り去っていきましたが、なんと1輌なのです。各駅(普通)の1輌編成は普通に走っていますが、急行とは、さすが電化もされていない徳島県ではの光景です。

田んぼ道を歩き出すと、左が恩山寺と最新の遍路案内標があるので、それにつられ進んでみますが、何かおかしい、自分の計画とに抵抗がある、と感じてスマホを取り出し地図を見るとやはり手前の分岐点では右でした。

元に戻って先に進むと勝浦川の近くに出ます。そこには細長い小さな公園が道沿いにあり、ベンチも存在するのをサテライトビューで確認していたので、そのベンチでリュックをおろし、昼食としました。今日はお昼までに、園瀬川の潜水橋はありませんでしたが、その他数多くのスポットに寄れて大収穫です。お遍路ではお寺での参拝以外の楽しみもなくちゃね。

昼を済ませてこの日では初めての55号線をほんの僅かですが歩きます。まずは勝浦川の土手道に出て勝浦川橋に向かいます。やはり55号線は交通が激しく、橋の両側に信号もあり、車が数珠繋がりになっていました。

この橋の部分だけが遍路地図の遍路道と一緒です。私の専用道(!?)では橋を渡ったすぐに交差する16号線へと回ります。さらにほんのわずかで道は左に分かれ136号線を下りて行きます。そこからかなりの距離136号線を歩きます。


そのまま136号線を進むとまた55号線に出てしまうので、お酢製造の佐藤商店の前の農道を右に回ります。その農道を突き進むと33号線にぶつかります。そこで右に曲がり、すぐに右側に小学校の校庭が見えるので、その手前を左に入ります。

そしてその道を、最後の方で左に曲がっていますが、道なりに行くと正面にモダンな民家がポツンと出てくるので、左のさらに細い農道へと曲がり進むと正面に木の生い茂った丘程度の山が見えてきます。その突き当りのT字路を左。

道なりに左に運河(農業用水路)を見ながら進むと、右への農道が何本か出てきますが、再度右に曲がる農道は1軒目と2軒目の民家の間にある道で、そこを曲がる真っ直ぐ進むと、また、左右に分かれ3方向の角が墓地のT字路で、そこを左に曲がります。


ここまで来るとしめたもので、後は前出の木の生い茂った山を右に見ながら道をなぞっていくと18番恩山寺に出ることができます。その前に、上の墓地を曲がってちょっと行ったところに、史跡「弁慶の岩屋」と言うスポットがあります。まぁ、後で付けたような話でしょうが、地域の人が観光スポットとして押していることもあり、時間もまだあることだし、訪れてみました。とにかくこの地域は前出の「あづり越え」と言い源義経関連の名所が多く残されています。


そして道は遍路地図にある136号線に出ます。さらに136号線から恩山寺へ行く道に曲がると、「民宿ちば」さんが左に出てきますが、「民宿ちば」さんの前の道の反対側に歩き専用の遍路道があります。コンクリの壁と民家の玄関の間のこの入り口には何の案内もなく、その民家の裏庭に回るような細い道で、ほとんどの1巡目のお遍路さんは見逃してしまいますが、恩山寺参拝の前奏曲になるような意味のある道です。


そのように、民家の裏の人が通らないような草の生い茂った道を辿ると、恩山寺の山門が正面に出てきます。この山門、恩山寺が全然面倒を見ないのか朽ち果てていまして、他の寺の山門とは大違いですが、それが故、写真を撮る価値もまたあります。

山門を潜ると赤い欄干のある車道と同平面になりますが、歩き専用道はさらにその正面を進みます。途中、階段もある険しい登道ですが、すぐに恩山寺の大きな修行大師像の裏に出ます。このようにして急にお大師さんにお目にかかると結構大きいです。

井戸寺からここまでの距離は、遍路地図では約17㎞、自分なりにグーグル地図で作った距離は約20㎞、しかし、実際にスマホのアプリで辿った距離は約23㎞ありました。道に迷ったり、興味のある箇所に寄ったりしたので、長くなったのかもしれません。

恩山寺の参拝も無事に済ませ、車道を下りていくと歩き遍路案内は大きな牛舎の中に導かれます。そして竹藪の山道をどんどん下り、すだち農園の中を通りますが、今回は親切な道案内の札が所々に立っていました。また用水路を渡って車道に出る手前の民家の裏庭には必ずひとりのおじさんがいて、庭仕事をしながら「ご苦労さん」と労いの言葉をお遍路さんにかけてくれます。今回は近所の人と話をしていたのか、私の方を見て目で挨拶したようなので、私も手を振って返しました。

あとは136号線に戻り、住宅地、切通し、などの郊外の風景を抜けると「お京塚」が出てきます。現在はモダンな遍路休憩所ができていますが、前回荒れ放題の「お京塚」に寄ったのと休む必要もないので今回はパス。今晩の宿「鮒の里」が先に出てくるので、荷物を置いて19番立江寺に向かいます。

前回は真夏で立江寺もしっかりお参りしたのかの記憶もないので、今回は念入りにお参りをしました。



「鮒の里」に戻りましたが、すでに何人ものお遍路さんが夕飯を取っていました。2、3人は見慣れた顔ぶれも。お風呂をもらって夕飯に着くと、後からもうひとり、ふたりと参加者がいて、お宿は満室のようです。ここの大将、声が大きく話好きで、大賑わいでした。

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