Sunday, July 26, 2015

2巡目 第2日 05/13/2015 後編

宿: 旅館吉野
距離: 約 21㎞


グーグルマップ上の軌跡:



参道と言うのか、切幡寺の門前通りにやってきました。前回はここまで遍路衣装・道具の購入を我慢して、1番霊山寺の売店より安いと聞いていた、この通りの「スモトリ屋・浅野総本店」まで来て、全てを買いました。その時はこのお店にリュックを置かせてもらい、軽い身なりで切幡寺を往復しました。


去年讃岐国分寺まで同道させていただいた chico さんがここでは少し手前の表装屋さん「須見光栄堂」に荷物を預けたとか、それを気にして張り紙を探したり、ガラス戸を覗き込んだりしましたが、何のサインもないので通り過ぎようとしたところ、そこの女将さんだろう人が窓を開けて「荷物を預かりますよ」と声をかけてくれたので、「待ってました」とばかり中に入りリュックを置かせてもらいました。


身軽になったせいか、前回より涼しいせいか、切幡寺名物333段の階段を身軽に登り切りました。



この寺は本堂・大師堂と共にはたきり観音も勤行次第を唱えるのが良しとされるとか、次回来れる保証はないので、しっかりとやり遂げました。前回ははたきり観音自体も拝まずだったので、写真もばっちり撮りました。



さらに前回も上りましたが、切幡寺大塔に赴きました。この大塔は徳川家康が豊臣秀吉の跡継ぎ秀頼に命じて大阪に作らせたものですが、要は家康が豊臣家の財禄を減らすために作らせた感があります。そして明治に入り神仏別離で取り壊す憂き目にあったのを、どなたかがここに移築したそうな。全国にひとつしかない特異な作り方だそうで、切幡寺に来たら是非とも見てもらいたい建造物です。



またこの高台から見る吉野川平野は見ごたえのあるものです。


切幡寺 吉野の空に 遍路舞う


さて、切幡寺を後にしますが、そろそろお昼時。前回は法輪寺手前からしつこく見る「うどん八幡」の看板で、お遍路さんのほとんどがそうですが、私もゴキブリホイホイのように「うどん八幡」へ引き込まれて行きました。しかし、今回は12号線・撫養街道の交差点を「うどん八幡」とは逆の東に少し向かうと、食事処「やまじゅう」があります。大きな看板に「日替りランチ・680円」と書かれています。


「うどん八幡」だと暑い日は、つい、天ざるうどん・1200円ナリに手が出てしまいますが、「やまじゅう」の日替りランチは680円に税が付きますが、この値段で食いきれないほどの量と品数が出てきます。私はうどんとおかずで腹いっぱいになり、ご飯をほとんど残してしまいました。


「やまじゅう」を出ると12号を前の交差点まで出ずとも、ななめ向かいの細い道を吉野川方向に歩くと、また遍路道に戻れます。ここらあたりで、必ずできるであろう左足人差し指のマメはこの遍路出発からバンドエイドで防御していたのですが、予想に反して右薬指にマメの痛みを感じてきました。



運よく川の手前に、遍路地図には載っていない休憩所を見つけたので入ります。指を見ると出来立てホヤホヤのマメを発見。即処理をしました。そこにも落とし書きノートがあったので、タイミングのいい所に休憩所が設置されていることの感謝の念を書き記しました。



吉野川の土手を上がってみると広大な光景が広がります。そして日本一大きい中須・善入寺島に渡る潜水橋・大野島橋が見えます。日本三大暴れ川とは、坂東太郎(利根川)、筑紫次郎(筑後川)、そしてこの四国三郎(吉野川)で、過去にはこのどでかい中須がすべて水に浸かるほどの洪水があったそうです。そしてこの川が暴れると、欄干のある橋はことごとく壊されるので、流れに逆らう欄干をなくしてしまい、水位が上がると水没する橋を潜水橋と呼ぶようになりました。ただこれが高知に入ると沈下橋の名が付きます。しかしその区別は曖昧だとか。


この潜水橋・大野島橋を渡りだしますが、交互一方通行ですが車がひっきりなしに渡るので、避ける場所のない橋の上では肝を冷やしました。5年前の夏は全然車が通らなかったのに。



そして次の潜水橋・川島橋まで真っ平で畑ばかりの善入寺島を横断します。ここでも5年前の夏は日陰が全然なく地獄でしたが、今回はちょっと暑いものの前回と比べたら天国です。川島橋を渡り切ったところで、新しい地図にある「昔の渡し舟道」の名残があるだろう方向へ行くつもりが、最初を間違えたのか、土手の上を歩いていました。



そしてこちら側の遍路道をなぞっていくと、JR徳島線の下をこぐり交通の激しい192号線に出ます。道すがらこちらのルートでも昔からある石標がいくつかありました。そしてまた街道に出たところの休憩所で一休み。



さらに足を進め前回通った遍路道に入ります。そして11番藤井寺に到着。納経所ではボサッとしたおっさんはおらず、法衣を着たさらにお年寄りの方が納経をしていました。そのあと、藤棚の方へ回ってみましたが、勿論藤の花は終わっていて、脇にある紫陽花は色気のない蕾でした。


今日は「旅館吉野」にご厄介になります。現在では藤井寺の近く、つまり、12番焼山寺への登山口近くではこの吉野さんしかなく、他の宿は鴨島駅の方向へ数キロ行かなければならず、混み合います。だと思い、ロスを出る前にこの先の「すだち館」まで4軒予約を入れておいたのが正解でした。ここから先、同道する歩き遍路の方のかなりが、前日予約を入れようとしたが、遠くの宿に回されたと言ってました。


ここの吉野では、夕飯時他のお遍路さんと楽しい会話ができることが有名で、私はわざわざ海外から来たという理由で、さんざっぱら、話のツマにされました。以降、ここほど夕飯時盛り上がった宿はありませんでした。いや、もうひとつあった。19番立江寺そばの「鮒の里」でも盛り上がったが、あそこは宿の大将が話好きで、彼のリードがすごかったのかも。

そして遍路ころがしの前夜もふけていきます。

Saturday, July 11, 2015

2巡目 第2日 05/13/2015 前編

宿: 旅館吉野
距離: 約 21㎞

グーグルマップ上の軌跡:
https://drive.google.com/file/d/0B6fXJOKFxm31NmZqQS1wRWNaR3c/view?usp=drivesdk

越久田屋さんでは日本慣れした変な外人(アメリカ人)ひとりと、初回順打ちの初老の人、何度も回っていて今回はお礼参りで戻ってきた私より年上かも知れない人、そして私の4人。

朝、外人はどうしているか聞きませんでしたが、他のふたりはすでに出立、私が出る時、ご主人が外へ出て道に出るまで見送ってくれました。見送ってくれたことに感激してスマホのアプリ My Tracks をオンにするのを忘れてしまう。

ここから熊谷寺までは山門を通るがシンプルで最短の道を調べ上げていたので、スタスタと歩き出し始めます。天気は台風一過快晴です。土成ICの前まで来て、アプリを付け忘れていたことに気づき慌ててオンにします。どういう訳か宿を出立するときは興奮しているのか、忘れがちなんですよね。

私の選んだ道は簡単で、土成ICから高速の南側の下を真っ直ぐ行くもので、人も車も全然通りません。突き当たったところを右に回り高速の下をくぐり、そのすぐの道を左に折れると、遍路地図通りで来る人と正面から会うかたちで山門への道に入ります。

ここの山門は車で来ると見ることすらなく、歩き遍路さん専用のようで誇らしげに感じます。また、八十八ヶ所の山門では一番高く大きいようで、非常に立派に見えます。

熊谷寺は階段の途中に中門があり、上まで上がると修行大師像が迎えてくれます。このお大師さん、晴れていると菅笠の影で顔が見えず、私を睨んでいるのか、やさしい顔で迎えてくれているのか全然分かりません。5年前はお大師さんの前のベンチで、暑さですでにグタッとなり休んでいると、お大師さんが「まだ朝も早いぞ、そんなところで休んでいていいのかっ」と怒られているような気がいしました。その時詠んだ句が、

蝉しぐれ 先を急げと 熊谷寺



参拝の後はまた山門を潜り9番法輪寺へと向かいます。この辺から来る人去る人何人かとすれ違います。高速から民家の間を歩きますが、それが切れるあたりに自宅を美容室にしているきれいでモダンな家がポツンと建っていますが、今は営業してなさそうですね。その先はずうっと畑や田んぼが続きます。



法輪寺は田んぼの遥か彼方から見えてきます。そんなムードで境内に入るので、中ものんびりした感じを受けます。納経してくれるお方も落ち着いていらっしゃいました。納経所の外の休憩所で一服。靴と靴下を脱ぎ足を乾かします。

さて、そこから先、前回は逸れそうになったので、注意深く歩きます。特に3番目の曲がり角だったかな、環境省の「四国のみち」のしっかりした道標が左へ行けと、しかし小さな遍路の案内が右を指しています。それまでは「四国のみち」も遍路道も方向がいっしょだったので、非常に迷う所です。

途中、小豆洗い大師が見えてきました。何々大師と名の付くものの中には、下手な八十八ヶ所の寺より大きいものから、小さな祠や道端の地蔵みたいなものまであります。ここは小さな祠ですが瓦の屋根の付いた建物になっています。5年前はここまで来て、足の大方の指にマメができ、歩いていて痛くて痛くて堪らず、裏の日陰に回り、全指にバンドエイドを巻いた所です。そのような曰くつきの場所だったので、お蔭様でまたここへ来ることができました、と、お寺でやる読経を一通り唱えました。

また、通りの向かいは我が家の菩提寺系である浄土真宗「円光寺」なので、中まで入り「南無阿弥陀仏」を唱えました。

それもこれも今回は本当に「余裕」で、寄り道して時間を割くことができています。

続く、